昨年あたりから、我が家の娘たちも妖怪や怖い話に少しずつ興味を持ち始めました。そこで「三井寺で開かれる妖怪ナイトに行ってみない?」と提案してみたものの、昨年は「やっぱり怖い…」と首を振られて断念。
しかし、今年もう一度声をかけてみると、「行きた〜い!」と目を輝かせる返事が返ってきました。あいにく当日は雨模様でしたが、それもまた怪しげな雰囲気を引き立てる最高の舞台に――。こうして私たちは、しっとりと濡れた夜の三井寺へ、妖怪たちに会いに出かけていきました
妖怪ナイトとは?
2018年から三井寺で8月上旬の4日間、開催されている人気のイベント「妖怪ナイト」
境内の各所が薄暗くライトアップされ、古来より語り継がれる妖怪たちが突如現れる演出が施されています。お堂の影から忍び寄る妖怪、時に耳元で聞こえる怪しい声――。日常では味わえない、背筋がゾクゾクする非日常が広がります
会場内では妖怪スタンプラリーや怪談朗読、子ども向けのミニワークショップも行われ、ただ怖がらせるだけでなく、歴史や文化に触れられる工夫がなされています

出店では狐のお面も売られていて自分たちで模様を描いてオリジナルの狐のお面を作ることが出来ます

雨の妖怪ナイト

私たちが訪れた日は、あいにくの雨。傘を差しながらの移動は少し不便でしたが、その分、人出は少なく、しっとりとした静けさの中で妖怪たちがより一層際立って見えました。
濡れた石畳に灯籠の明かりが映り込み、木々から落ちる雫が小さく音を立てる――その情景は、まるで江戸時代の怪談絵巻の中に入り込んだよう

娘たちも最初は「こわい〜!」と半泣きになっていましたが、次第に慣れてきて、妖怪たちに笑顔で手を振るほどに。特に奇怪な動きをする妖怪や素早く動く妖怪は大人が見ていても怖かったですが、雨降りに傘をさして動かずに、じ~っと一点を見つめている女性の妖怪?幽霊??が僕は一番怖かったです


丑の刻参りをしている女性を見て、下の娘に
父:「あの人、何をしているか知ってる?」と聞くと、
娘:「うーん…家を直してるのかな?!」
夜だから頭にロウソクを立てて、家の修繕中?
……理にかなってるかも 笑
妖怪と歴史が紡ぐ夜

三井寺の妖怪ナイトは、単なるお化け屋敷的なイベントではなく、歴史と文化、そして幻想が交わる空間です。雨の中という特別な状況が、私たちの体験をより濃く、思い出深いものにしてくれました。
子どもたちにとっては「ちょっと怖くて楽しい夜」、大人にとっては「歴史と伝承の中を歩く時間」。その両方が共存するひとときでした
次回は晴れた日の妖怪ナイトにも行ってみたいと思いつつ、雨の妖怪たちに会えたことは、きっと夏休みのいい思い出として残ってくれると思います
滋賀にまつわる妖怪たち

滋賀には琵琶湖や比叡山を舞台にした数多くの妖怪伝承が残ります。
たとえば、琵琶湖の「大うなぎ伝説」では、湖底深くに棲む巨大なうなぎが漁を妨げ、人々を困らせたと語られています。また、三井寺にも縁のある「弁慶の引き摺り鐘」伝説は有名。
武蔵坊弁慶が三井寺の鐘を比叡山まで引きずっていったものの、鐘が「イノー、イノー(戻りたい、戻りたい)」と鳴いたため、怒って坂本まで投げ戻したという話です。この鐘は今も境内に残り、妖怪ナイトでも幻想的にライトアップされていました
三井寺の歴史と魅力
滋賀県大津市にある**三井寺(正式名:園城寺)**は、天台寺門宗の総本山として知られる名刹です。その創建は飛鳥時代、天武天皇の時代まで遡るとされ、千年以上の長い歴史を持っています。
「三井寺」という名の由来は、境内に湧く霊泉「閼伽井屋(あかいや)」の水が、天智・天武・持統の三天皇の産湯に用いられたという伝承から。境内には国宝や重要文化財も多く、琵琶湖を見下ろす景観や四季折々の自然美も魅力です。春は桜、秋は紅葉、そして夜は幽玄なライトアップが訪れる人を魅了します
2025年 三井寺妖怪ナイトの開催概要
開催期間:2025年8月9日(土)〜8月12日(火)
開催時間:18:00〜21:00
場所:大津市「総本山三井寺」境内中院エリア(住所:滋賀県大津市園城寺町246)
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