夏のダメージを回復し、冬に備える芝生の手入れ方法を紹介

お庭 Gardening

酷暑の夏が過ぎ去ると、芝生は葉焼け・乾燥・通気性の低下といったダメージを抱えてしまいます。それらを回復させるため、秋はまさに“勝負の季節”。さらに、「冬枯れまでの期間」をできるだけ延ばし、「冬の休眠」に備えて芝生の健康と美観を少しでも長く維持することが芝生愛好家にとって、とても重要です。
暑い夏が過ぎて涼しくなり始めた秋のタイミングでしっかりと芝生の手入れを行い、残り少ない今年の芝生シーズンも全力で楽しみましょう。


秋の作業の流れと目的

サッチング(枯れた芝や古い根の除去)

夏の終わりにはサッチ(枯草や根の層)が厚くなり、通気・水はけ・養分の浸透を妨げます。熊手やサッチレーキでやさしく取り除き、土表面をきれいに整えましょう。

エアレーション(通気性と根張り改善)

踏圧の強い箇所は土壌が固くなり、根が伸びづらくなっています。コア抜きやスパイク靴などで、20〜30 cm間隔に穴をあけると、空気・水・栄養が根元に届きやすくなり、回復が促進されます。秋の温暖な時期(9〜10月)が理想です。

追肥(根を強化し、冬越しの力に)

サッチング・エアレーションの後、肥料を与えることで栄養が根まで浸透しやすくなります。おすすめ肥料は後述しますが、緩効性かつバランス型の肥料を選び、広がりと回復を狙います。

補植・修復(弱った箇所の再生)

水枯れや夏バテで芝が酷く枯れてしまった部分は、芝生の切り替えや種まきで補修しましょう。早めに対処することで、春に差が出ます。

芝刈り調整(秋向けの高さ管理)

夏の低刈りから少し高さを戻し、長めに芝丈を維持することで根の保護と冬枯れ対策になります。なお、秋は成長が緩やかなので、刈り頻度を減らしつつ、刈り残しには注意を。

水やり・雑草管理

秋は比較的過ごしやすい気候ですが、乾燥が続くこともあるため、週1回程度に深くしっかり散水を。雑草は根元から取り除き、冬枯れ間際では見分けやすくなるので、早めに除去しましょう。


「冬枯れまでの期間を延ばす」ための工夫


日本芝(高麗芝など)は秋口まで緑が残っていると、冬枯れが始まる時期を遅らせられます。そこで以下を工夫しましょう:

  • 秋終盤まで緩やかな追肥(肥料は成長を促し「枯れ始め」を遅らせます)
  • 肥料には葉緑素分解抑制や黄変抑制効果があるものを選ぶと有効です。

「冬の休眠期間に備える」ための策


冬は芝が休眠し、葉が黄色に変化していきます。以下の対策が冬越しを助けます。

  • 休眠期に入る直前に刈り込みや水やりは控えめに(成長終了のタイミングを見極めましょう)
  • 雑草取りは今のうちに行っておく(冬は雑草が目立ちます)

おすすめ肥料

ここでは、おすすめの肥料を3点ご紹介します。

バロネス「芝生の肥料」(細粒・緩効性IB窒素)

 ゴルフ場でも使われる品質で、成分は10:10:10、粒が細かく芝の目に入りやすく、長期間効き持続。肥料焼けの心配が少ないため、秋の追肥に最適です。

リサール酵産「カルスNC-R」(ブレンドカルス

 カルスNC‑Rに含まれる微生物が、サッチや枯芝などの有機物を分解し、通気性・保水性・排水性の向上を促進して驚くほどに土壌をふかふかにしてくれて、芝生の密度も上がります。
ただブレンドカルスを作るのに硫安と米ぬかを混ぜて作るので、少し手間が掛かります。

東京グリーン「スーパーグリーンフードS」

 微生物がサッチを分解してくれて、病害抵抗力を高める効果が期待できます。価格も安くコスパ最強です。通常のスーパーグリーンフードは少し匂いが気になるので匂いが嫌な方はスーパーグリーンフードSがおススメです。

使う肥料によって芝生の状態は大きく左右されるため、肥料選びはとても大切です。いろいろな肥料を試してみることで、自分の庭に合ったものを見つけるのが一番の方法です。


おすすめ道具・芝刈り機

秋の芝生管理では、使いやすい芝刈り機や道具選びも大切です。あると便利なおすすめ道具を紹介します。

● 芝刈り機の種類と特徴

手動リール式:静かで軽く、小スペースの庭向き。刃数が多いほど低刈りに向くが、長い芝には不向きな場合もあります。

電動式:コードレスで手軽、ある程度広い庭におすすめ。

エンジン式:広い庭や傾斜に強く、自走タイプなら作業もスムーズです。

● あったら便利な おすすめアイテム

充電式芝生バリカン

際を刈る時の必需品です。
どうしても芝刈り機では際の部分が刈り切れずに残ってしまいます。そんな際の部分もバリカンを使う事でスッキリと綺麗に刈ることができます。

バリカンは断然、充電式がおススメです。あと細かい事ですがバリカンの刃が横の塀や柵に直接当たらないようにガイドバーかカバーがついていると使いやすいです。

芝生鋏

バリカンでもカットしきれない部分もハサミがあれば安心です。そもそもバリカンで刈り切れない所も回転式のハサミならどんな角度でもキレイにカット出来ます。

キンボシ ローンスパイクJr

エアレーション用のスパイクツールとしておすすめ。踏圧改善や根張り促進に活用できます。

散水ホース

散水後のホース巻取り作業は意外と大変で腰にきます。そんな時に屈まずに巻取りが出来る散水ホースは腰への負担も少なくて非常に便利です。


まとめ:秋の芝生管理~来春への架け橋

秋は芝生を回復させ、冬までの期間を美しく延ばし、さらに冬越しに備える“仕込みの季節”です。以下のポイントをしっかり抑えておけば、春には青々とした健康な芝生が戻ります。

  • サッチング → エアレーション → 追肥 → 補修 → 芝刈り調整 → 水やり・雑草管理
  • 冬枯れ延長の工夫:肥料選びや葉緑保持の対策を
  • 冬の備え:雑草除去・休眠期の無理な刈りは避けましょう
  • 道具選びも大切:使いやすく、あなたの庭に合った機材を揃えて効率的な管理を

季節の移り変わりに応じた丁寧な管理で、芝生は確実よくなります。ぜひ秋の手入れを頑張って、今年の芝生を少しでも長く楽しみましょう。

10月は最後の芝刈り&肥料の散布。そして芝刈り機のメンテナンスをやっておこう
10月も中旬を過ぎて今年の芝生シーズンも残すところあと少しとなりました。今年最後の芝刈り作業と肥料の散布を行い、来春もキレイで元気な芝生に出てきてもらおうと思います。そして1年間頑張ってもらった芝刈り機は最後にメンテナンスして春まで倉庫でお休みです。

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