こんにちは、お庭の芝生ライフ、楽しんでいますか?
9月下旬を迎え、朝晩は少しずつ涼しい風が感じられるようになりました。今年の9月は例年に比べて雨が多く、直近の2週間も雨が降り続く天気が続いてしまいました。
「ずっと雨が降っていたせいで、なんだか芝生が弱っている気がする…」
「ふと見たら、芝生の中に変なキノコが生えてきている!」
「葉の色が少し変色しているような…これって病気?」
そんなお悩みや不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
今回は、「9月の長雨」をテーマに、雨が上がった直後の秋晴れから冬支度へ向けてどのように高麗芝(日本芝)を立て直していけばよいか、具体的な芝生の手入れを計画していきます。長雨特有のトラブルである「キノコ」や「病気」の見極め方と対策もしっかり網羅してお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください!
例年とは違う「長雨×高温多湿」のダメージ

日本芝の代表格である「高麗芝」は、本来であれば暑さや乾燥に強く、夏から秋への季節の変わり目にはぐんぐんと生長を続けるタフな芝生です。
しかし、今年の9月は「気温が25〜28℃(晴れると30℃前後)」という夏の名残を引く高温であるにもかかわらず、「連日の長雨・日照不足」が重なるという、芝生にとって少し過酷な気象条件となりました。
このような環境下では、以下のような現象が起こりやすくなります。
- 根の呼吸困難(根腐れリスク): 土壌中が常に水分で満たされているため、根が酸欠状態になり、新陳代謝が低下します。
- 徒長(とちょう)と軟弱化: 日照不足により、葉がひょろひょろと柔らかく育ってしまい、病害虫に対する抵抗力が落ちてしまいます。
- サッチ(刈りかすや枯れ葉の層)の分解不良: 湿気がこもり続けることで、微生物のバランスが崩れ、有害な菌が繁殖しやすい環境が整ってしまいます。
この状態をそのまま放置してしまうと、秋の生育期を十分に楽しめないばかりか、冬の休眠期に向けて深刻なダメージを持ち越すことになってしまいます。だからこそ、雨が上がったタイミングを見極めた素早いリカバリーが何よりも重要になってきます。
9月下旬〜冬前までの芝生管理:基本の4大方針

これからの季節、美しい緑を長く保ち、そして来春の素晴らしい目覚めを迎えるために、以下の4つの基本方針に沿ってお手入れを進めていきます。
施肥(肥料の選定とタイミング)
- 基本方針: 明日からの1週間雨予報が明け、芝生や葉が乾いた晴れの日に実施する。
- ポイント: 長雨で流亡してしまった栄養分を補給するため、緩効性の有機質肥料(バロネスやスーパーグリーンフードなど)を施します。濡れた葉に肥料が着くと「肥料焼け」の原因になるため、必ず葉や土が乾いている晴天の日にまくのが鉄則です。
目土入れ(凹凸の修正)
- 基本方針: 雨の最中や直前の散布は流亡リスクがあるため避け、雨がすべて降り終わった後、凹凸部分に薄くすり込む。
- ポイント: 水たまりができやすい場所や、日々の踏圧で凹んでしまった部分に、専用の目土(緑潤やリボサンドなど)を補充します。水はけが落ち着いたタイミングで、薄く(1〜2ミリ程度)丁寧にすり込んでいきます。
水やり・刈り込み
- 基本方針: 雨に任せつつ、雨が数日降らない晴天の午前中に灌水。冬への蓄えのため刈り込み高さを少し上げる。
- ポイント: 降雨の間隔が空いて地面が乾いてきたら、晴天の午前中にたっぷりと水を与えます。また、秋が深まるにつれて芝の生長スピードが緩やかになってくるため、刈り込み高さを夏場よりも少し高めに設定します。これにより、葉の光合成面積を広げ、根や茎にしっかりと栄養を蓄えさせることができます。
雑草対策
- 基本方針: 雨上がりの土が柔らかいタイミングでの手抜き、または雨が上がってから芝生用の除草剤を散布する。
- ポイント: 長雨の後は雑草も一気に勢力を伸ばします。土が柔らかくなっている雨上がり直後は、根っこからスポッと抜きやすい絶好のチャンスです。広範囲に広がっている場合は、高麗芝を傷めずに雑草だけを枯らす「選択性除草剤」を、雨が上がって葉が乾いたタイミングで散布しましょう。
長雨の副産物?「キノコ」の発生と対策

「朝起きて庭を見たら、なんだかキノコがポコポコと生えている…!」
今年の長雨の時期、こうした光景を目にした方も多いのではないでしょうか。
なぜキノコが生えるのか?
芝生に生えるキノコの多くは、地中にある「サッチ(枯れた芝や根の層)」や有機質肥料を栄養源にして分解する「腐生菌(ふせいきん)」です。
今年の長雨によって土壌やサッチが常に湿った状態になり、キノコの菌糸が活動しやすい最高の環境(高湿度かつ適度な温度)が揃ってしまったために、地上へと一気にキノコが顔を出したのです。
キノコは芝生に害を及ぼす?

キノコ自体が直接高麗芝を枯らすわけではありません。しかし、以下の点で放置は禁物です。
- 美観を損ねる: せっかくの手入れが行き届いたお庭の雰囲気が台無しになってしまいます。
- 生育環境の悪化のサイン: キノコが生えている場所は、「サッチがたまっている」「水はけが悪い」「通気性が悪い」というシグナルです。
- 毒キノコのリスク: 小さなお子様やペットがいるご家庭では、誤飲の危険性があるため早めの対処が必要です。
キノコの具体的な対策

- 見つけたらすぐに抜く・取り除く胞子が飛散して周囲に広がるのを防ぐため、見つけたら傘が開く前、あるいは小さいうちに根元から引き抜いて処分します。この際、まわりの土ごと少し削るようにすると効果的です。
- サッチング(サッチの除去)を行う雨が続いて地面が乾いた晴れの日を選び、レーキやサッチ取り用の熊手を使って、古い芝の層をしっかり掻き出しましょう。キノコの栄養源を断つことが根本的な予防になります。
- 水はけ・風通しの改善目土入れやエアレーション(穴あけ作業)を行い、土壌の通気性と水はけを改善して湿気がこもりにくい環境を作りましょう。
見逃してはいけない!芝生の「病気」の見極めと予防・対策
長雨と高温多湿の組み合わせは、キノコだけでなく芝生の病気にとっても大好物な環境です。
「なんだか最近、芝生の一部が茶色くなってきた…これってただの枯れ?それとも病気?」
ここでは、秋口に発生しやすい代表的な病気の見極め方と、その対策をご紹介します。
代表的な秋の芝生病害
ラージパッチ(疑似紋枯病 / ジンガサカビ病などの仲間)

- 症状: 直径数十センチから1メートルほどの円状(リング状)に、芝生が黄褐色や茶褐色に枯れ込みます。縁の部分が赤褐色っぽく変色するのが特徴です。
- 原因: 水はけの悪い場所や、過剰な窒素肥料、サッチの堆積によって発生しやすくなります。高麗芝などの日本芝で最も警戒すべき病気の一つです。
葉枯病(はがれびょう)

- 症状: 葉の先端や中ほどに褐色の斑点ができ、やがて葉全体が枯れてしまいます。芝生全体がまばらに薄くなったように見えます。
- 原因: 窒素肥料のやりすぎによる軟弱徒長や、日照不足、風通しの悪さが引き金になります。
病気の見極め方
「水不足や肥料焼けによる枯れ」と「病気」の見分け方のポイントは、「枯れ方のパターン」にあります。
- 全体に均一に黄色くなっている場合や、肥料を偏ってまいた場所なら「生理障害(肥料焼けなど)」の可能性が高いです。
- 一方で、「きれいな円を描いて枯れている」「まだら状に特定のスポットだけが広がる」「葉の表面にカビのような胞子やクモの巣状の菌糸が見える」場合は、病気の可能性が非常に高いと言えます。
病気の予防と対策
発病初期の薬剤散布(殺菌剤の活用)病気が発生してしまった、あるいは周囲で発生が確認された場合は、進行を食い止めるために芝生用の適用殺菌剤(グラステン水和剤やMBI系の薬剤など)を散布します。雨が上がって葉が乾いた晴れの日に、規定希釈倍率を守ってムラなく散布します。
水はけと通気性の確保病原菌は湿気を好みます。雨が上がったタイミングで、フォークや専用ローンスパイクを使って地面に穴をあけ(エアレーション)、地中の水はけと通気性を高めます。
窒素肥料の与えすぎに注意する「早く緑色を回復させたい!」と焦って窒素成分の多い化学肥料を大量に与えると、かえって葉が柔らかくなり病気に対する抵抗力が落ちてしまいます。秋口の施肥は、緩効性で植物由来の優しい成分が含まれる肥料(スーパーグリーンフードなど)を適量使うのが安心です。
刈りかすや枯れ葉の徹底清掃芝刈り後や草取りの際に出たゴミ、サッチをそのまま放置しておくと、病原菌の温床になります。こまめに熊手やブロワーで掃除し、お庭を清潔に保ちましょう。
あると便利な芝生の管理グッツを少し紹介↓↓
立った状態でホースの巻取りができるのは、本当にいいです。
小回りも利いて、切れ味が悪くなれば自分で研磨も出来るので1台あると大変便利です。
まとめ:雨上がりの秋晴れを活かして、美しい冬支度へ!
今年は9月に入って雨が多く、お庭の管理にヤキモキさせられた方も多いと思います。
しかし、自然の気まぐれに少し振り回されてしまったからこそ、「雨が上がった瞬間の見極めと、的確なリカバリー作業」がお庭の美しさを大きく左右します。
今回のポイントをもう一度おさらいしてみましょう!
- 雨が上がって葉や土が乾いた晴れの日に、緩効性肥料を施す
- 雨が完全に降り終わったのを確認してから、凹凸部分に薄く目土をすり込む
- 数日降らない晴天の午前中に水やりを行い、冬に備えて刈り高を少し上げる
- 雨上がりの土が柔らかいタイミングで雑草を抜き、必要に応じて選択性除草剤を活用する
- 長雨で発生しやすいキノコは早めに抜き取り、サッチを取り除いて根本原因を断つ
- 円状の枯れや変色(ラージパッチ等)を見逃さず、必要に応じて殺菌剤で早期治療を行う
少しの手間と愛情をかけてあげるだけで、芝生は必ずその美しさと健やかさで応えてくれます。
雨が明けた爽やかな秋晴れの日、ぜひご家族と一緒に、心地よい汗を流しながらお庭のお手入れを楽しんでみてくださいね。



コメント